山村浩二-雑記6(2005.3‾)

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2005.06アニメーションとCG
 今さらデジタルとアナルグ、アニメーションとCGの違いを云々しても仕方ないのかもしれない。両者は今や渾然一体となっている。私も10年以上アニメーションのツールとしてパソコンを使ってきたし、いま音の仕上げまで含めて、純然たるアナログで仕上げられた作品は極稀である。ただアニメーションとCGは、技術の名称としてハッキリと別の物だと思っている。「アニメーション」はフレーム・バイ・フレームでイメージを積み重ねることで制作された映像の事で、そのイメージ自体が実写だろうとCGだろうと、ドローイングだろうと、「駒撮り」で動きをつくり出していれば全て「アニメーション」だが、CGでも始点と終点を決めて、中間の動きを計算で作った、引っ張っただけの動きは「アニメーション」でない。人形を糸や棒で動かした動きを「実写」で撮っている「人形劇」と「人形アニメーション」が違うのと同じだ。

2005.06ダンスでアニメーション?
 最近「少年チャンプル」とう深夜のダンスの番組が気に入って、毎週録画して見ているのだが、ダンスのジャンルとして「アニメーション」というのがあって、ダンス界でも最近人気があるらしい。ウェーブ、パントマイム、ムーンウォーク、ロボット・ダンスなどをミックスした感じのダンスで、人の動きをとは思えない不思議な動きと、エンターティンメント性があって面白い。ハリーハウゼンなど駒撮りされた特撮の少しぎくしゃくした動きをわざとまねしてダンスにしている。お気に入りのダンサーは「TOZAWA」「はむつんサーブ」「ひとりでできるもん」。皆すごい才能だ。アニメーションではないが「プリンケツプリンケツ」も最高。

2005.05短編アニメーションの現在

街のあちこちにある手書きの看板


オープニング


審査員、左から私、フィリップ、ミカエラ

 5月5日から11日までチェコの「第3回国際アニメーションフェスティバル アニフェス2005」に短編部門と長編部門の国際審査員として参加した。実はチェコに着くまで長編部門の審査もすることを把握していなかったのですが。プラハから南に車で2時間ほどのトシェボニュという12世紀につくられた古くて小さな街が舞台。今回のコンペ作品は90%は未見の作品だったので、どんなアニメーションに出会えるのか愉しみにしていたが、なかなか優れた作品は少ない。グランプリは昨年シュトゥットガルトで自宅にお邪魔した時制作中だった、ギル・アルカベッツの新作『Morir de Amor』に全員一致で決定した。ストーリーテリングが、聡明で、楽しく、動画もいい。この作品は今年、賞を沢山とりそうな予感。
 審査をすると、自分がアニメーションに何を期待して、何を基準に優れているかどうか判断しているのかが見えてくる。自分の理想というか、「アニメーション」に求める芸術の形を満たしてくれる作品に出会えると、本当にうきうきして幸せな気持ちになれる。
 近年、国際アニメーション映画祭が急速に増えている。そんな中、特定の作品に賞が集中することがままある。自分の『頭山』もその手の1本だが、2000年以降の作品に限ると、『老人と海』『ある一日のはじまり』『岸辺のふたり』『フラックス』『ハービー・クランペット』『ライアン』などがある。
 自分が感銘を受けたアニメーション作品は70年代の物が多く、では、ここ数年でどれほど優れた作品が生まれているのか、最近考えてしまう。上記の作品群は確かに基準値以上の優れた作品であはあり、現代アニメーションを代表するものだが、自分の理想のアニメーションかどうか考えると必ずしもイコールではない。
 私が選ぶ、2000年代の傑作、個人的に感銘を受けた2000年代前半ベストを考えてみた。順不同で、アマンダ+ウェンディー『ある一日のはじまり』とクエイ兄弟『イン・アブセンティア』。短編ではないのと、未完なのでノルシュテイン『外套』は別格で。どれも70年代、80年代以前から活動している監督の作品になってしまった。次点は、これも順不同で『ドッグ』『パニック・イン・ザ・ヴィレッジ”ザ・ケーキ”』『ストーミー・ナイト』『ヴェイチェンベルグ・ストリート』かな。フェティバルに行かないと見れない作品ばかりなので、日本で公開されるよう、最近私も努力しています。その折にはぜひ見てみて下さい。

2005.03「ヤマムラアニメーション博物館」in 愛・地球博
 
 先日は24日の開会式にも参加し、3月25日いよいよ愛・地球博がはじまった。約1年『ヤマムラアニメーション博物館』の展示のために準備をしてきて、今一つ大きな仕事の節目 だが、これから半年まだなにがあるのか分からないので、搬出するまでは本当の終わりではない。他の企業パビリオンに比べたら予算的にはかなり厳しかったが、キットグループの前田さん、有福さん、昼間さんはじめ、カトウスタヂオ岩崎さん、ハヤシ造形林さん、日本コーバンさん、エディソンさん他多くの方々 に協力いただいて、我ながらとてもいい展示になったと思う。万博に行く予定のある方はぜひ足を運んでください。『ヤマムラアニメーション博物館』は並ばずに見れます。
 場所が分かりにくい、との声もあるのでこの場で説明すると、北ゲートを入ってすぐ右手(西)に向かって直進、途中、観覧車のある右の道なりに直進する と、万博会場北西のはずれ遊園地の奥に白いテントの建物が「わんパク宝島」で、そこの一番奥にあります。真下が「ロボット・ステーション」でそこを訪れる人は多いようです。同じ建物の1階に手塚治虫さんが大阪万博の時にデザインしたロボット楽団もひっそりと展示してあるのでお見逃しなく。
『ヤマムラアニメーション博物館』は、アニメーション映画史前のアニメーション的絵画史や機器の歴史と私の個人史を織りまぜた展示物にあわせ、私自身が 壁に直接、説明の絵を描いています。色々な所に隠れた落書きがあるので見つけるのも楽しいし、触って遊べる視覚玩具もあります。実物大のカロピヨにも会いに来てね。

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